「夢は俳優になること」
そう語る若者たちの熱い思いを、私は数多く見てきました。華やかな世界に見える俳優の仕事ですが、実際にはたくさんの努力と研鑽が必要な世界なんです。
今回は、実際の俳優養成現場で見てきた成長の過程をお伝えしていきます。
まず基本となるのは、演技の基礎力。セリフ一つ読むにも、声の出し方から呼吸法まで、細かな技術が必要になってきます。演技の授業では、まずは自分の体と向き合うところから始まります。
「立つ」「座る」という当たり前の動作も、舞台上では意味のある所作として表現しなければなりません。街頭での人々の歩き方を観察したり、図書館で文学作品を読み込んだり…。演技力を高めるために必要な要素は実に多岐にわたります。
カメラの前での演技も重要なスキルです。映像演技では、カメラの特性を理解し、自然な表情や動きを意識する必要があります。最初は緊張で固まってしまう生徒も、徐々にカメラを意識しない自然な演技ができるようになっていきます。
声優を目指す人たちも、基礎からのトレーニングが欠かせません。アフレコ現場では、映像に合わせた正確なタイミングでセリフを入れる技術が必要です。何度も何度も練習を重ねて、やっと一つのシーンが完成するのです。
身体表現も俳優には重要なスキル。ダンスやアクション、殺陣など、体を使った表現力も磨いていきます。汗を流しながらの練習は、時には厳しいものになりますが、その分だけ成長を実感できる瞬間でもあります。
舞台に立つ機会も大切な経験となります。観客の反応を直に感じながら演技することで、表現力は確実に磨かれていきます。
プロの現場では、演技だけでなく、コミュニケーション能力も重要です。共演者やスタッフとの関係づくり、現場での立ち振る舞いなど、社会人としての基本も同時に学んでいきます。
夢を追いかける若者たちの姿は、本当に輝いています。時には壁にぶつかることもありますが、仲間と切磋琢磨しながら、一歩一歩前に進んでいく。その成長の過程に携われることは、とても幸せなことだと感じています。
演技の道を志す人たちへ。華やかな世界の裏側には、地道な努力の積み重ねがあります。でも、その過程こそが、かけがえのない財産となるはずです。情熱を持って、自分の夢に向かって進んでいってください。