映画やドラマを見ていて「この人、全然違う役もできるんだ！」と驚いた経験はありませんか？一人の俳優が全く異なるキャラクターを演じ分ける姿に感動した方も多いはず。
実は、多彩な役柄を演じられる俳優になるには、系統立てたトレーニングと独自のアプローチが必要なんです。プロの世界では「引き出しの多さ」が俳優としての価値を大きく左右することも。
今回は演技の幅を広げたい俳優志望の方や、表現力を磨きたい演技初心者のために、複数キャラを演じ分ける秘訣やトレーニング法、メソッド演技のアプローチについて詳しく解説します！
演技専門の教育機関では、こういった技術を体系的に学べるカリキュラムが組まれていることも。将来の可能性を広げる演技力アップのヒントが満載の内容になっています。さあ、一緒に「多彩な表現力」の扉を開けていきましょう！
1. 役者の引き出しを増やす！ 1人で複数キャラを演じ分ける秘訣とは
演技の世界で最も観客を魅了するのは、一人の俳優が複数の全く異なるキャラクターを演じ分ける瞬間ではないでしょうか。エディ・マーフィが一人で家族全員を演じた『ナッティ・プロフェッサー』、タチアナ・マスラニーが17人のクローンを演じ分けたドラマ「オーファン・ブラック」など、一人多役の演技は常に高い評価を受けています。では、役者がこうした演技の引き出しを増やすためには、どんな秘訣があるのでしょうか。
まず基本となるのは、徹底した観察力です。街中で見かける人々の歩き方、話し方、仕草などを意識的に観察することで、演技の引き出しは確実に増えていきます。国立劇場の演技ワークショップでは「1日30分は人間観察の時間を設けよ」という指導が行われるほど重要視されています。
次に、声の使い分けも重要です。声優の世界では「声帯の位置を変える」という技術が用いられますが、舞台俳優でも同様の訓練が効果的です。声の高低、速度、アクセント、方言など、声だけで別人に聞こえる工夫が大切です。日本アカデミー賞を受賞した名優・山﨑努さんは、役ごとに徹底して声作りをすることで知られています。
そして体の使い方も見逃せません。同じ体でも、姿勢、動き方、癖によって全く異なる人物に見えるものです。例えば、肩の力を抜いてだらしなく見せるか、背筋をピンと伸ばして緊張感を出すかだけでも、印象は大きく変わります。英国の演劇学校RADAでは「体は俳優の楽器である」として、徹底した身体訓練が行われています。
心理面での準備も欠かせません。それぞれのキャラクターのバックストーリーを深く考え、その人物の思考回路を理解することで、自然な反応や感情表現が可能になります。メソッド演技の大家であるリー・ストラスバーグの教えでは「演じる前に、その人物の過去10年間の生活を想像せよ」とされています。
さらに、現場では役を切り替える瞬発力も必要です。特に映画やドラマでは、異なるキャラクターのシーンを同日に撮影することもあります。演技の切り替えを素早く行うための集中力と準備が求められるのです。
実践的なトレーニングとしては、インプロヴィゼーション（即興演技）が効果的です。予測不能な状況下で様々なキャラクターを即座に演じ分ける訓練は、表現の幅を広げるのに最適です。都内の演劇スタジオ「アクターズクリニック」では、こうした即興演技のワークショップが定期的に開催されています。
多彩な演技を身につけることは一朝一夕にはいきませんが、これらの秘訣を意識的に実践することで、一人で複数の役を演じ分ける力は確実に身についていくでしょう。そして、その表現力の幅広さこそが、あなたを他の俳優と差別化する大きな武器となるのです。
2. 変幻自在の演技力を手に入れろ！ 多彩な役柄をこなす俳優のトレーニング法
演技の幅を広げることは、俳優として長く活躍するための必須スキルです。同じタイプの役ばかりでは、視聴者に飽きられ、いずれオファーは減少していきます。では、多彩な役柄をこなせる俳優になるためには、どのようなトレーニングが効果的なのでしょうか。
まず取り組むべきは「観察力」の強化です。電車や街中で見かける様々な人々の仕草、話し方、表情の変化を細かく観察してノートに記録しましょう。例えば、松田龍平さんは役作りのために街中で人間観察をすることで知られています。特徴的な歩き方や癖など、見過ごしがちな細部まで意識すると、演技の引き出しが増えていきます。
次に重要なのが「身体的トレーニング」です。声量やトーンの変化、姿勢、歩き方など、体を楽器のように使いこなせるようになることが目標です。菅原小春さんのようなダンサー出身の俳優は、身体表現の幅広さで評価されています。週に数回、ダンスやヨガ、武道などに取り組むことで、体の柔軟性と表現力を高められます。
「感情コントロール」も欠かせません。喜怒哀楽をスイッチ一つで切り替える練習は、役者の基本中の基本です。メソッドアクティングの手法を取り入れ、過去の経験や記憶を呼び起こして感情を引き出す練習を重ねましょう。綾野剛さんは役になりきるために、撮影期間中はキャラクターと同じ生活習慣を続けることがあるそうです。
「アクセント・方言トレーニング」も多彩な役作りには欠かせません。標準語だけでなく、関西弁や東北弁、さらには外国語アクセントまで、必要に応じて習得できれば大きな武器になります。星野源さんは演技の幅を広げるために様々な方言を学んだことを語っています。
最後に「異なるジャンルへの挑戦」が重要です。シリアスドラマから喜劇、アクションまで、積極的に異なるジャンルの作品に出演することで、演技の幅は広がります。小栗旬さんはコメディからシリアスドラマまで幅広いジャンルで活躍する代表例です。オーディションでも意識的に違うタイプの役に挑戦してみましょう。
これらのトレーニングを継続することで、どんな役でも自分のものにできる「変幻自在の演技力」が身についていきます。一朝一夕では身につかないスキルですが、毎日の積み重ねが、いつか大きな飛躍につながるのです。
3. 個性派俳優への近道！ 多様な役を演じるためのメソッド演技アプローチ
個性派俳優として活躍するためには、幅広い役柄を説得力を持って演じられる演技力が不可欠です。メソッド演技はその有効なアプローチの一つで、多くの著名俳優に支持されています。メソッド演技とは、役柄の内面から演技を構築する手法で、感情の記憶や体験を活用します。
まず重要なのは「感情の記憶」の活用です。自分自身の過去の感情体験を呼び起こし、役柄の感情表現に応用します。例えば悲しみのシーンでは、自分が経験した喪失感を思い出すことで、リアルな感情を引き出せます。
次に「身体的アプローチ」があります。役柄の身体的特徴や癖を徹底的に研究し、自分のものにする方法です。ダニエル・デイ＝ルイスは「リンカーン」の撮影中、撮影外でもリンカーンの歩き方や話し方を維持していたことで知られています。
「フィールドリサーチ」も重要な要素です。役柄と同じ職業や環境を体験することで説得力を増します。ロバート・デ・ニーロは「タクシードライバー」で実際にタクシー運転手として働き、「レイジング・ブル」ではボクシングのトレーニングだけでなく、体重を増減させました。
「即興演技」の練習も有効です。台本にとらわれず、その場の感情や状況に応じて自然に反応する能力を養います。これにより、予測不可能な状況でも柔軟に対応できるようになります。
最後に「観察力の鍛錬」です。日常生活での人々の行動や反応を注意深く観察し、演技の引き出しを増やします。カフェでの会話、電車内での人々の仕草など、あらゆる場面が演技のヒントになります。
メソッド演技は熱心な取り組みが必要ですが、東京俳優養成所や俳優座などの演劇学校でも指導されています。ただし、役との境界線を保つことも大切です。過度に役に入り込むことでメンタルヘルスに影響を及ぼす場合もあるため、バランス感覚を忘れずに取り組みましょう。
